PANHARD ET LEVASSOR TYPE B2
パナール・エ・ルバッソール Type B2
パンァー(パナール)・エ・ルバッソール社は1890年からクルマの製造を開始した、フランス最古の自動車量産メーカーであり、黎明期におけるリーディングカンパニーとして、欧州のみならず世界の自動車産業を牽引した。
また、近代自動車の一般的な形態であるFR(フロントエンジン・後輪駆動)方式を最初に用いたことで知られる。実は、同社が最初に製造した自動車は、ホイールベースのほぼ中央にエンジンを備え、その前後に背中合わせに座席を配した“ドサド”と呼ばれる構造を採用していた。ところがドライバーと乗客はエンジンの上に座るため、振動や騒音や熱が乗員に直接伝わることや、車両全高が高くなり安定性を欠くなどの大きな欠点を抱えていた。同社はこれらの欠点解消のためにフロントエンジン後輪駆動のレイアウト“システム・パナール”を考案、これによりドライバーと乗員は快適になり、着座位置も下がって安定性が向上したのである。
同社は自動車黎明期の自動車レースに参加することで、自動車の発展に寄与した。特に1895年に開催された世界初の自動車レース“パリ〜ボルドー〜パリ”で、同社車両が1位を獲得したのは有名である。運転したのは、同社創業者の一人であるエミール・ルバッソール自身で、ドライバー交代なしで1,180kmを走り抜き、48時間47分5秒でゴールした。
史上初の自動車レースから3年後の1898(明治31)年、日本に初上陸したガソリン自動車も同社の車両であった。
車両データ |
|
---|---|
展示期間 | 2022年10月7日~ |