FUJI MOTORSPORTS MUSEUM

NISSAN VIOLET

日産バイオレット (サファリ・ラリー 3連覇達成車)

史上初のサファリ4連覇を達成

日産バイオレット (サファリ・ラリー 3連覇達成車)

1981年・日本

展示終了

1960年代以降、日本の自動車メーカーの海外輸出が盛んになり、アフリカ諸国に自社製品の耐久性の高さを訴求する一環として、日産が先陣を切り、三菱、トヨタ、スバルやダイハツが続々とサファリ・ラリーに参戦するようになった。

日産は1963年の初参戦以来、1970年にブルーバードで日本車初優勝を飾り、さらに1971年、73年とフェアレディZで2勝を収めたのちに、75年からバイオレットを投入して79年から82年で4連勝を果たした。

この展示車両は、1981年の第29回サファリ・ラリーにおいて、シェカー・メッタ/マイク・ドウティ組が優勝を収めた実車である。素直なハンドリング性能を備えたFRコンパクトセダンに、FIAが定めるグループ4規定に則ってチューニングされた、最高出力210馬力を発揮する直列4気筒DOHC16バルブ、1975ccのLZ20B型エンジンを搭載している。

車両開発は、同社追浜工場と英国TDE(チーム・ダットサン・ヨーロッパ)で遂行された。日本での走行テストは、福島県二本松市にあるエビスサーキットの未舗装コースで行われ、モトクロス競技出身のレーシングドライバー、長谷見昌弘氏と星野一義氏がテストドライバーを務めた。彼らの徹底的な走り込みで、重要部品の耐久限界を把握した日産は、実戦では「不調の有無に関わらず、壊れる前に部品を交換する」という車両整備戦略を採用して勝利を積み重ね、最終的に前人未到の4連覇を達成したのである。

なお、バイオレットは日産のモータースポーツ戦略を変えたクルマとも言われている。バイオレット以前は、最多販売車種をモータースポーツに投入していたが、バイオレット以後は、これから力を入れて販売したいクルマを参戦させるようになった。

車両データ
年式
1981
国籍
日本
メーカー
日産
全長
4,080mm
全幅
1,600mm
全高
1,390mm
ホイールベース
2,400mm
重量
1,080kg
エンジン型式
直列4気筒DOHC
総排気量
1,975cc
最高出力
154kw/210PS/-
展示期間 2022年10月7日~2023年8月21日
パートナー 日産自動車株式会社
https://www.nissan.co.jp/