AAR Toyota Eagle MarkⅢ
オールアメリカンレーサーズ イーグル マークⅢ トヨタ
IMSA GTOクラスで多くの勝利を上げたAARとトヨタ(TRD-USA)は、GTPクラスへのステップアップを計画。1991年7月からイーグル マークⅢ トヨタ(Eagle Mk. Ⅲ)でフル参戦を開始した。1992年には13戦中優勝9回、翌93年には10戦中優勝10回という他を寄せ付けない圧倒的な強さを見せ、2年連続でマニュファクチャラーズとドライバーの両タイトルを獲得した。イーグル マークⅢ トヨタは6台製作され、当館展示車両は5号車である。
イーグル マークⅢ トヨタが強かった要因は、高出力を発揮するエンジンと、空力特性に優れたボディーを持つことだった。水槽を用いた実験を繰り返すことで決定されたボディー形状によって、マシンを路面に押しつけるダウンフォースは、320km/h走行時に約4,300kgにもおよんだ。
またエンジンは、3S-GT系のエンジンブロックの外見を持つが、全く別のIMSA GTP専用の503E型2,140ccターボ付きエンジンである。あまりにもイーグル マークⅢ トヨタが強すぎたことから、1993年シーズンは、52mm径のリストリクター装着を強いられたが、537kW/730PS/7,500rpmと97.2kgm/5,200rpmを発揮した。
イーグル マークⅢ トヨタの戦績の良さは驚異的であり、IMSA GTP参戦車両の中では最も成功した1台といえるかもしれない。しかしその強さが1992年以降のライバルの撤退を招くこととなり、翌93年を以てIMSA GTPクラスは終焉を迎えた。
車両データ |
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展示期間 | 2022年10月7日~ |